1巻から時を置くこと5年。もはや途中放棄されたのかと思って半ば諦めかけていたところ。
「わずか六十余年前、戦争は日常だった。」
大東亜戦争後期、窮地に陥った日本の戦局を打破するために開発された「人間魚雷、回天」
この2巻では、ついにその開発者の一人だった仁科中尉を含む第一陣、菊水隊が出撃となる。
神風特攻隊による体当たり攻撃開始から遅れはしたものの、「一度出撃したら生還を期せない」このただ魚雷を改造しただけの人間魚雷に、当時の10代の若者たちを載せて・・・
一度目の菊水隊、出撃に当たっての仁科の決意・行動・言葉も重いが、注目すべきはその後の軍の動向と、第二陣、金剛隊への出撃命令。ここにいたり、当時の日本軍の愚かしいとも言える強硬姿勢がなんともいえす歯がゆく、苦しい。
泊地襲撃を目的とした菊水隊、予定された12機の回天のうち、「出撃できた」ものはわずか5機。
そして戰果は潜水艦の危険回避のため目指することかなわず、爆撃音の確認のみ。
これにより、菊水隊の戰果は「5機出撃、全て命中」とされ、中央からの期待は大きくなり、回天隊は大幅に増強される。
しかし第2陣、金剛隊出撃に際し下された命令は、「第一陣と同じく泊地襲撃」。
開発者であり、第一陣にて散った仁科の言葉とも反する命令だ。回天の存在は第一陣の攻撃により敵の知るところとなり、泊地は厳重に警戒されることになろうことは容易に予想できたはずなのに・・・
命令を下された第2陣の隊員たちの葛藤。「死ぬのは怖くないが犬死は勘弁してくれ」「死ぬ意味をくれ」
戰時の日本の価値観、狂気的な強硬策、絶対服従の理不尽な命令と従わざるを得ない若者たちの葛藤、「非国民」という差別。
まるでリアルな映画を見たかのような印象を受けた。衝撃はかなり強い。
しかし、裏を返せば、現代日本にも形を変えてこのような考え、弾圧、危険な思い込み・・・共通するものは多く残っているようにも感じる。
リアルに戦争を知りたい方には非常におすすめ。
読み終わってよくよく考えると、俺が個人的に抱いた印象としては映画「硫黄島からの手紙」と非常に似たものだったように感じる。あの映画になにか感じるものがあった方も読んでみるといいかもしれない。
あぁ、まだ未完です。はい。 Amazonコミック新刊情報
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