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2010年06月19日

結局否決された都の青少年育成条例改正問題、どこがどう問題なのかもう一度考えてみる。

数カ月放置した上のこの話題での更新で申し訳ないです。
当たり前ですが、否決されましたね。
「非実在青少年」条例改正案、都議会本会議で否決へ
さて、「子供を守る」ということに反対する方はほとんどいなく、「子供を守りたい」という目的は正しい、にもかかわらずココまで問題になったのはなぜか、で、何が問題なのか、できるだけまとめつつもう一回考えてみよう、と思ってこのエントリ書いてます。

で、最近アスキーjpが、あと前からITMediaがいい記事たくさんあるのでこれも貼っておく。
ゼロから分かる東京都青少年健全育成条例改正問題 ― 第1回
非実在青少年は、なぜ問題なのか?
http://ascii.jp/elem/000/000/528/528238/
ゼロから分かる東京都青少年健全育成条例改正問題 ― 第2回
永山薫氏に聞く非実在青少年問題と「マンガ論争2.5」
http://ascii.jp/elem/000/000/528/528238/
ゼロから分かる東京都青少年健全育成条例改正問題 ― 第3回
非実在青少年◆読本を作った理由──徳間・大野編集長に聞く
http://ascii.jp/elem/000/000/530/530658/index-2.html

これは秀逸。興味ある方はぜひ読むべき
「どうする!?どうなる?都条例」:
「ゾーニングの顔をした表現規制」「社会の自立の、行政による他殺」──宮台教授
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1005/20/news084.html
「綾波レイのヌードはOK」――都が条例改正案のFAQ公開、「条文と違う」と指摘も
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1004/27/news049.html

で、ちょっと資料。
これは都の回答集。
「東京都青少年の健全な育成に関する条例改正案 質問回答集」の作成について
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2010/04/20k4q500.htm
あと、今月の審議ではちょっと条文の表現の修正があった。
東京都青少年条例、「非実在青少年」の言い替えの修正とは?
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/1cffeec85a9f4da775d0c4447311e2bb

改正案・(図書類等の販売等及び興行の自主規制)第7条2「年齢又は服装、所持品、学年、背景、その他の人の年齢を想起される事項の表示又は音声による描写から十八歳未満として表現されていると認識されるもの(以下「非実在青少年」という。)を相手方とする又は非実在青少年による性交又は性交類似行為に係る非実在青少年の姿態を視覚により認識できる方法でみだらに性的対象として肯定的に描写することにより、青少年の性に関する判断能力の形成を阻害し、青少年の健全な育成を阻害する恐れがあるもの」

自公の修正案では、規制対象を「漫画、アニメーションその他の創作された画像(実写によるものを除く。)」と明記し、「非実在青少年」を「描写された青少年」に、「性的対象」を「性欲の対象」、「肯定的に描写」を「不当に賛美し又は誇張するように描写」に置き換えるそうだ。

改正案・(不健全な図書類等の指定)第8条2「販売され、若しくは頒布され、又は閲覧若しくは観覧に供されている図書類又は映画等で、その内容が、第七条第二号に該当するもののうち、強姦等著しく社会規範に反する行為を肯定的に描写したもので、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を著しく阻害するものとして、東京都規則で定める基準に該当し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められるもの」

修正案では、やはり「肯定的に描写」を「不当に賛美し又は誇張するように描写」に変更するという。

改正案(児童ポルノの根絶及び青少年性的視覚描写物のまん延抑止に向けた都の責務)第18条の6の2「2 都は、青少年性的視覚描写物(第七条各号に該当する図書類又は映画等のうち当該図書類又は映画等において青少年が性的対象として扱われているもの及び第十八条の六の五第一項の図書類又は映画等をいう。以下同じ。)をまん延させることにより青少年をみだりに性的対象として扱う風潮を助長すべきでないことについて事業者及び都民の理解を深めるための気運の醸成に努めるとともに、事業者及び都民と連携し、青少年性的視覚描写物を青少年が容易に閲覧又は観覧することのないように、そのまん延を抑止するための環境の整備に努める責務を有する。」

修正案では、(児童ポルノの根絶及び青少年性的視覚描写物のまん延抑止に向けた都の責務)を(児童ポルノの根絶及び青少年をみだりに性欲の対象として扱う図書類又は映画等の青少年による閲覧等の抑止に向けた都の責務)に変更し、本文は「都は、青少年をみだりに性欲の対象として扱う風潮を助長すべきでないことについて事業者及び都民の理解を深めるための気運の醸成に努めるとともに(後略)」といった条文に変えるとのことだ。児童ポルノにかかわる条項については、附則で「施行後三年を目処に」「検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」ともしているという。都の改正案よりも踏み出した内容だ。自公が提出した児童ポルノ禁止法の改正案にも3年後を目処に創作物規制を目論む条文があったが、うり二つの内容ともいえる。



さて、条文については前の記事で触れているので、そちらと合わせて読んでいただけると幸いなのだが、俺としては、もっと練り込む必要はあるものの、7−2、8−2の修正についてはこの方向で間違ってないと思う。
問題なのは「蔓延の防止」。ここははっきり言って削除すべきだと考えている。

俺個人の立場を明確にしておこう。
「子供を守る」という目的が正しい、というところには全面的に賛成である。
しかし、そもそも条例、つまりは立法による規制が必要なのか、現行の条例の運用を改善することで対応できるのではないか、そして条例として策定するならば、規制対象をもっと明確に絞り、解釈の余地を極力狭めることが必要ではないか、そして、そういった議論が全くなされずに押し通そうという姿勢自体、都議会という議論の場として問題ではないか、というものである。
つまり、現行の条例の運用次第で目的は果たせるはずだし、仮に新たに条例を作成する必要があったとしても、この条文の文言では受け入れ難い、条文の文言をきっちり絞り込み、それが納得、理解できて恣意的な運用の余地がなくなるならば問題はないというものである。

まず、都の職員の回答集。
法律を少しでもかじった方ならば、元の条文を読むだろうし、読んだならばこの回答がいかに稚拙な解釈に基づくものかがおわかりいただけるかと思う。
裁判上で問題になるのは、「条文の文言」「その解釈」そして「事実関係」である。
したがって、この回答にはなんの法的拘束力もなく、一旦条例が成立してしまえばこの回答の内容は、この条例に対する「ひとつの立場からの見解の一つ」としてくらいしか存在意義はない。
そして、実際に運用するのはこれからの都であり、実際に解釈して判断するのは裁判官である。
さらに言えば、この回答自体が条文の文言からはおよそ導き出されないものであり、裁判上でこの見解が通る可能性は限りなく少ないであろうことは想像に難くない。

さらにこの記事。
都条例改正案 アグネス・チャンさん「子育て条例だ」 里中満智子さん「誤解生むあいまいな条文」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1005/21/news026.html
アグネスは条文を読んだのか?と見識を疑う。
これは上のアスキーの記事でも突っ込まれているが、全く条文に反する見解であり、都の回答を鵜呑みにした発言。
>「この条例は“子育て条例”です。どうしたら子供に健全な環境を整えられるのか、というのがポイントになる。現行の条例では、今までの“成人指定” の枠に入りきらない児童の性的虐待もあるので、定義を明確にして、子供の手の届かない所に置いておきましょう、ということ」
定義が明確ではないのは明らか。さらに「蔓延の防止」の条項には、「青少年への蔓延の防止」とは一言も書いていない。

2 都は、青少年性的視覚描写物(第七条各号に該当する図書類又は映画等のうち当該図書類又は映画等において青少年が性的対象として扱われているもの及び第十八条の六の五第一項の図書類又は映画等をいう。以下同じ。)をまん延させることにより青少年をみだりに性的対象として扱う風潮を助長すべきでないことについて事業者及び都民の理解を深めるための気運の醸成に努めるとともに、事業者及び都民と運携し、青少年性的視覚描写物を青少年が容易に閲覧又は観覧することのないように、そのまん延を抑止するための環境の整備に努める責務を有する。

という条文。
つまり、世間に蔓延することによって青少年が容易に閲覧できるようになるから、世間に蔓延させない様にしましょう、という文言である。
>「表現の自由は、今回は問題外です。規制もしていない。論点をすり替えられているのではないか。有害図書に指定されたとしても、もし親が教育上必要だと判断すれば、買って読ませることもできる」
青少年性的視覚描写物を青少年が容易に閲覧又は観覧することのないように、そのまん延を抑止するための環境の整備に努める責務を有する。と条文に明記されている以上、青少年に買い与えることは明らかに抵触するだろう。
> 「『ドラえもん』のしずかちゃんの入浴シーンの可否などが取り上げられているが、それは対象外。対象は、子供を暴行する場面が詳細に繰り返し描かれているなど、悲惨な性的虐待が描かれたものだけ。私も表現者であり、自由を奪われたら困る。でも、表現の自由には責任が伴う」
対象はこの時点で(修正案の前)非実在青少年を相手方とする又は非実在青少年による性交又は性交類似行為に係る非実在青少年の姿態を視覚により認識することができる方法でみだりに性的対象として肯定的に描写するもの。
子供を暴行する場面が詳細に繰り返し描かれているなど、悲惨な性的虐待が描かれたものだけとは一言も書かれていない。
さらに、青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの、と7−1にあることから、『ドラえもん』のしずかちゃんの入浴シーンの可否についても「性的感情を刺激」することは有りうるわけで、それが「健全な成長を阻害するおそれがある」と判断されれば(証明のしようがないのだが)十分に規制対象とする解釈は成立する。(あくまで最悪のケースだが)
そして、これを「蔓延の防止」と合わせれば・・・もうおわかりでしょう。青少年に限らず都民全員、視聴、閲覧、譲渡、貸借が規制対象となりうるの。
>「条例改正案は、子供を性的な道具として虐待しているポルノを、子供から遠ざけましょう、ということ。そういう作品が、書店など子供たちの手の届くところに置かれている現状を多くの人に知ってもらいたい。
すでにゾーニングがなされている。18禁の書籍に関してはカバーがかけられ、成人コーナーに置かれている。

これは典型的な「勘違いによる賛成派の意見」だと思うので取り上げた。

条例の目的から考えよう。
そもそも、「青少年育成条例自体は青少年の健全な育成と保護」が目的であり、これは理想として追求し続ける価値があることはおそらく誰もが認めるところだろう。
さて、では「健全な育成」とは?
明確な定義はない。
私見になるが、健全な育成、健全な成長とは、善悪の判断を自分でなしうる力を身につけること、だと思う。
悪いものを悪いと判断するためには、いいものと悪いものと、グレーなものまで並べて、複数人で議論するのが一番。でも条例案では「悪いもの」を決めて、それを遠ざけようとしてるよね。人が「いいもの」と判断したものしか周囲にない状況で育つのが「判断力をつける」ことにつながるとは到底思えない。
例えば「悪書」であっても、それのどこがどう「悪」なのか、本当に「悪」なのかを例えば家族会議で、例えば HRで議論する、そのほうが「健全な育成」につながるって言う考えもあるわけで。俺はその方が純粋培養よりよほど健全だと思うのだ。
家庭で、学校で、または地域社会で、ネット上で、善悪の基準について大いに議論すべきだ。
そして、それが年齢に応じてなされることが一番望ましい。
小学校で、中学校で、学年に応じて週一、月一で議論する時間、日を設けてもいいだろう。
Toloveるが健全か否か、読むことが健全か否か、同様の行為を実際に行うことは健全か否か、せっかく人が集まってるんだから、男女、年齢を超えて大いに議論したらいいじゃん。
「男子がこれ読んでたらキモイ」それもひとつの意見だろう。
「読むのはいいじゃん!つか興味ない方が異常じゃね?去勢する気かよ!!」それもひとつの意見。
「実際にされたら絶対嫌!!つか訴えるよ!!」それもひとつの意見。そしておそらく正しい。
こういう過程で判断基準を養うこと、これが「健全な育成環境」じゃねぇの??

「いらぬものを淘汰した世界に幸せなど待ってはいない」by ドラゴン from OnePiece
そう。排除、隔離したって何も解決はしない。
というか、一部の大人が決めた、つまり子供にとっては「他人から与えられた無菌室」で、善と判断されたものしかない環境で育って、社会に放り出されたとき、自分の善悪の判断基準を持てるだろうか?持てるはずがない。

次に、規制対象について考えてみよう。

改正案・(図書類等の販売等及び興行の自主規制)第7条2「年齢又は服装、所持品、学年、背景、その他の人の年齢を想起される事項の表示又は音声による描写から十八歳未満として表現されていると認識されるもの(以下「非実在青少年」という。)を相手方とする又は非実在青少年による性交又は性交類似行為に係る非実在青少年の姿態を視覚により認識できる方法でみだらに性的対象として肯定的に描写することにより、青少年の性に関する判断能力の形成を阻害し、青少年の健全な育成を阻害する恐れがあるもの」


からさらに規制対象を「漫画、アニメーションその他の創作された画像(実写によるものを除く。)」と明記し、「非実在青少年」を「描写された青少年」に、「性的対象」を「性欲の対象」、「肯定的に描写」を「不当に賛美し又は誇張するように描写」に置き換えるとなった修正案。
これに関しては「大分マシになった」という印象。
しかし、「年齢又は服装、所持品、学年、背景、その他の人の年齢を想起される事項の表示又は音声による描写から十八歳未満として表現されていると認識されるもの」に関してはまだまだ曖昧なまま。
まだ「たたき台」に過ぎないという印象は否めない。

(不健全な図書類等の指定)第8条2 販売され、若しくは頒布され、又は閲覧若しくは観覧に供されている図書類又は映画等で、その内容が、第七条第二号に該当するもののうち、強姦等著しく社会規範に反する行為を肯定的に描写したもので、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を著しく阻害するものとして、東京都規則で定める基準に該当し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められるもの


これもまぁ、曖昧な部分は残るものの理解できる範囲である。確かにこういったものが(本当に18禁指定されていなくて青少年に蔓延しているのならば)ある程度の規制は必要だと考える。

しかし、これが上記「蔓延の防止」規定と組み合わせられることが大問題なのである。上でも述べたように、ここでは「青少年への蔓延防止」ではなく「世間への蔓延防止」となっているからだ。
ここまでの規制を実行するのであれば、定義は非常に明確に、誰でも理解できるように、そして最小限に絞り込み、解釈の幅を限りなく0に近づけることが必要なはずだ。
なぜなら、これは表現の自由に重大に関わってくる問題であり、表現の自由は一度失われると取り戻すのに多大な困難と時間を要するため、最大限尊重されて然るべき、という憲法論に基づく。

まず、ここに至る経緯としてよく上げられている意見なのだが、そもそも規制論者が言う「可愛らしい表紙の漫画で中身を見たら近親相姦や強姦の内容ばかりでゾッとした」という雑誌に少なくとも俺は心当たりがない。
話によると、こういった苦情があとを立たないそうだが、どこにあるのか全く分からない。
故に、実際の標的となってる雑誌、漫画のタイトルくらいは言ってもらわないとまともに噛み合う話ができない。
さらに突っ込むと、連載漫画に置いて「その週のストーリー」が抵触すると判断された場合、ストーリーの文脈には関係なくなるんだよね。例えばその週の話は「回想」のみで構成されてて、そこが抵触する場合。連載の一回分を一作品として、続きは2時創作物、っていう判例(著作権がらみだが)もあるわけだし。

例えば、「ナニワトモアレ」という漫画がある。
平成初期の大阪環状族の漫画なのだが、実にリアルで、この中にはしばしば輪姦、強姦を日常的に行う「非人間的な」登場人物が出てくる。
そして、彼らは同じ環状族につかまり、そのときにひどい拷問を受け、生死の堺まで追い込まれ、大阪から姿を消すことになる。工場で首をつられ、戻され、「殺してくれ」というまで追い込まれる。
「やめてください」といっても聞いてもらえない。「おまえらはそういって泣き叫ぶ女を輪姦してきたんだろうが。オドレだけ助かろうなんて都合のいい話があるかい!」と。
これは週刊連載である。よって、捕まるまでを読めば「肯定的に」描かれているわけではないことは明確なのだが、そこまでの一話に置いて「肯定的に」描かれていると判断されることは有りうるわけだ。
しかし、こういった話は現実に起こっている話である。
そして、「未成年故に」大した罰もうけず、出所してはまた同じ事を繰り返す人間がいることもまた事実である。
これを読んだとき。不快感を感じる方は多いだろう。しかし、現実から目を逸らしていては問題は解決しない。
「裁判になってまだ若いから更生できるとか、弁護士がアホみたいなこと言うやろなぁ。俺等がそんなに楽させると思うかい!」これもまた、(犯罪ではあるが)ひとつの正義でもあると俺は思うんだよ。
「俺やったら・・・殺して埋めるかなぁ」これもまた、犯罪ではあるけど、ひとつの正義だと思うんだよ。
そういった現実が実際にあり、それを知った上で善悪の基準を、判断を養うことが「健全な成長」じゃないのかな?(殺しちゃダメだけど

一部の書店では、すでに「バガボンド」や「ベルセルク」が店頭から姿を消しているという話もある。
「バガボンド」は吉川英治の「宮本武蔵」が原作だ。
そして、あの時代。男子は15で元服を迎え、「大人」だった。これは紛れもない事実だ。
成人が成人として、成人同士での性行為を行うことに何の問題があるのだろうか?そして、「バガボンド」はあくまで剣客の話であり、そういったシーンはごく一部である。にもかかわらず、だ。

さらに、先日石原都知事が見解を示した。
【石原知事会見詳報】参院選公約「菅君ずるい。ぱくられちゃった」
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/100618/lcl1006181733003-n4.htm

 −−(6月議会で否決された子供を性的対象とした漫画などの販売規制を目指す)都青少年健全育成条例の改正案について。石原知事は9月議会に再提出する意志を示したが、再提出にあたり条文の文言の修正だけでなく、内容まで変えるのか?

 「さあ、それは分かりませんな。もう1回、論議の中で第1党の(都議会)民主党がどういう意味合いで反対しているのか、はっきりさせないとね。反対の理由が分かるようでよく分からないんだよ。詰まるところ、ああいう(改正案)のを構えると、描き手を芸術家というか知らないけど、『創作をしている人間たちが無言の制約を受け、圧力を感じて、描きたいことを描けなくなる』ということなんでしょ? それ以外に何か理由あるの?」

 「(子供を性的対象とした漫画を描く)連中が果たして芸術家かどうかは知らないけど、そんなことで描きたいものが描けなくなるなら作家じゃないよ、言わせれば。ある意味、彼らは卑しい仕事をしてるんだから。あの変態を是とするみたいな(作品を見れば)。そういう人間がいるから商品として需要があるんだろうけれど。話にならんね」

 「そんなのにおもねって反対するというのは…。普通の政治の世界だったら、数ってことで政党の(意見が)通ってしまうけど。普通の社会じゃありえないことですな」


>反対の理由が分かるようでよく分からない
ここは規制対象が曖昧、ということにつきる。
有害図書として指定できる範囲が不明確ということに加えて、「蔓延の防止」の対象についても都民の間なのか青少年に対してなのか不明確なわけだ。
>(子供を性的対象とした漫画を描く)連中が果たして芸術家かどうかは知らないけど、そんなことで描きたいものが描けなくなるなら作家じゃないよ、言わせれば。ある意味、彼らは卑しい仕事をしてるんだから。
何をもって芸術としているのかよく分からないのだが、今回の規制につき、「芸術かどうか」は全く問題になっていない。
そもそも「表現の自由」は芸術に対するものではなく、「思想・信条を表現したもの」であり、それは言葉でも、絵でも、写真でも、なんにでも当てはまる。そして、芸術家にのみ認められた権利ではなく、国民全員に認められた権利である。
ということは、この発言は憲法条項を全く理解していないがゆえに出た発言ではなかろうか?そして、そういった人間が条例策定に関わっていることに強い危機感を覚える。
>ある意味、彼らは卑しい仕事をしてるんだから。
これは完全に差別発言である。憲法14条の「法の元の平等」に反する発言である。

そして、条例策定にあたっても、議論中にこういった差別的発言が多く見受けられ、そういった人間たちがこの条例を策定しようとしていることに非常に強い危機感を覚える。

個人的見解まとめとして
まぁ、一部、特定個人に対する批判になってしまったが、「子供を守る」という目的が正しい、ということに異論はない。
ただ、そもそも規制が必要か、必要ならばどういった形で行うのがよりよいか、この条文で不当に不利益を被る場合はないのか、逆に本当に規制をかけたいものへの抜け道はないのか、そういった議論が全くなされないまま、安易に「規制」に走ることが問題だと考える。
それにより、本来そういった意図がない作品までもが対象となり、「都」や「一部の大人」が決めた「善」しか存在しないない環境が作られることは、善悪について、正義について議論し、価値観を形成していく機会を著しく損なう。
そして、「画一的思考」に染め上げられ、そこから外れたものは「差別され、人権を蹂躙されても良い」という環境につながりかねないこの条例の「文言」に反対なのだ。
最近のONE PIECEで「正義」の定義に突っ込んでいるが、そういうことに疑問を持ち、議論する場をうばうことは「悪は可能性から排除しなくてはならない」「人間は正しくなけりゃ生きる価値なし」という赤犬・サカズキと全く同じ考えじゃないか?それはひとつの考えとしては有りうるかも知れないが、その考えに「すべて染め上げられる」ことはおかしいだろうと。
「徹底した正義は時に人を狂気へと変える」by 青雉クザン
そして、「正義も悪も何が違う?勝ってなお乾くばかりだ」と疑問を持ったスモーカーやたしぎ、そして「戦うのやめましょうよ!!命がもったいない!!」と叫んだコビーのような人間を排除する流れにつながるんだよ。

条文としてはだ。
「販売または頒布するもので、専ら読者の性欲を刺激するために描いた児童を対象にした性犯罪に類する行為を不当に誇張、または賛美した描写が極めて目立つことが認められるものは、青少年に販売、または譲渡することを禁ずる」とかでいいんじゃねぇの?十分目的は果たせるだろ?
まぁ、この文言でも定義を絞り込むとこは絶対必要だけどさ、それを各項で定義してけばいいんだって。
例えば13歳以下を児童と定義してる奈良の条例(たしか?)みたいに児童を定義して、性犯罪ってのを刑法何条、迷惑防止条例何条、って定義してさ。
まぁ、本来的に「現行条例の運用を見直す」だけで十分だと思うんだけどね。

今回否決されたのは非常に当然な話で、また、多くの人がこの問題について考える機会を持てたことは大きなプラスだったと思う。
そして、また今後、この案が上がってきたとき、賛成・反対双方の立場の方々が、冷静に条文を見直し、意見交換し、建設的な議論をし、そして本来の目的である「子供を守る」ことに本当につながっていけば、条例が通る通らないに関わらず、結果的に良い方向に向かえるんじゃなかろうか?

漫画が、アニメが好きな方にも、子供を持つ方にも、子供たち自身にも本当に真剣に考えるいい機会だと思うよ。ぜひ出来る限り冷静に、「ほんとうにそれでいいのか?」を考えてみようよ。 Amazonコミック新刊情報
posted by tmin at 12:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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