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2009年03月10日

バクマン。 大場つぐみ/小畑健

DEATH NOTEの黄金コンビが現在ジャンプで連載中の意欲作。
DEATH NOTEもジャンプとしては非常に規格外な衝撃作だったが(漫画界としてもそうだがジャンプでそれをやったということがより衝撃的)、この作品は全く別のアプローチでのジャンプにおける衝撃作になってきている。
かつて漫画界を描いた物としてはスピリッツに連載していた編集王を想い出すのだが、バクマン。は少年誌向けのテンションを基本に置きながら漫画界の現実を盛り込んでいるところに大きく違いがあり、それはそのまま読みやすさと読者の年齢層に反映される。

主人公の(現在)高校生のサイコーとシュージンの二人が漫画家、そして週刊ジャンプ本誌での連載を目指していくというストーリー。
その中でサイコーとヒロイン亜豆のラブストーリー(+シュージンと見吉も)も伏線的に盛り込まれ、またテンポもよく、全年齢通して楽しめる物になってきている。
現在まだコミックは2巻まで、連載期間としてはまだまだこれからなのだが、なにがすごいってこれ、ジャンプの内情をここまで暴露していいのかってくらい暴露している。そして、それがただの暴露で終わるわけではなく、しっかり作品にリアリティを持たせられるように使いきられているところだ。
連載初期、サイコーのおじさんが漫画家だったがジャンプから契約を切られ、しかし(事故か自殺かで)死ぬ直前まで新しい作品をつくろうとしてて・・・ってエピソードが出てきてたのだが、連載が進むごとにさらに深く、連載会議・打ち切り会議・アンケートの集計と反映・新人のギャラなどが描かれ、もはや少年漫画の枠に収まるものではなくなってきているように感じる。
おそらくこれらは現実なのか現実に非常に近い物になっているはずだ。でなければここまでリアリティを持たせられないだろう。

規格外であることはそれはそうなのだが、ジャンプにこういった「骨太な」作品を待ち望んでいた。
少年漫画として夢を描くこと、皆の憧れるようなものを描くことは必ず必要なのだが、その過程での苦労と努力、現実とのギャップ、しかしそれでも折れない(負けないではなく、負けても立ち上がれる)強いキャラ、そしてそのキャラの成長、こういった要素は盛り込まれているべきだと思う。
ただなー。。。この作品に限ってはそれだけじゃないんですよね。計算高い現実的な考え方と行動、夢を描くだけでなく、どことなく冷めた視点がそこら中に散りばめられている。例えばシュージンがギャラを計算するとことか、編集者や他の漫画家との意見交換というか議論というか戦いの中での駆け引きとか。
基本的に夢に向かって走っていくストーリーを描きながらも、こういう表現の難しい現実的な要素を作品の明るい雰囲気を崩すことなくふんだんに盛り込んでいるところがすごい。

ブラックジャックによろしくが医療界に問題提起して大きく現実世界に影響を与えたように、クロサギが詐欺の手口をことごとく暴露して世間に知らしめたように、そしてSLUMDUNKを読んでバスケを始めた少年が多くいたように、この作品は大きな反響を呼ぶ可能性を秘めていると思う。
漫画家を目指す人は当然読むべきだが、漫画読みにとっても漫画界の表裏を知ることが出来、かつ楽しめる作品。
今後の展開が非常に楽しみ。

勝手に評価
笑える     ★★★★☆
泣ける     ★☆☆☆☆
ためになる  ★★★★★★★★
鬱になる  ☆☆☆☆☆
考えさせられる ★★☆☆☆
インパクト  ★★★★★★★★

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