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2009年08月30日

からくりサーカス 藤田和日郎

いやー。長いっすね。全43巻。でもいいよ。

http://www.youtube.com/watch?v=UqToTKg1rR0

藤田和日郎のうしおととらに続く長編2作目。
ストーリーは長く、複雑で、うしおととらに比べると重くて暗くて残酷な描写が目立つ。

自分の意思を持ち人間に害をなす「自動人形(オートマータ)」と、操り人形を武器にオートマータを破壊することを使命とする人形破壊者「しろがね」との戦い。そしてそれに巻き込まれていく主人公たち、勝、鳴海、そして「しろがね」ことエレオノール。

なんか最初のうちはそこまで引き込まれなかったんだが、15巻あたりから様子が変わった。200年前から始まるそれぞれの因縁、そして今の現実が徐々に明らかになり始め、それに翻弄され、葛藤し、闘い始める鳴海の姿が胸を打つ。
この200年前の自動人形の誕生と闘いの始まりに関する因縁、物語中で明らかになったかと思えば後にさらに隠された真実が明らかになる。これが何度もあり、最終的に全てが明かされたときはすごく切なく、悲しくなった。

鳴海の葛藤と戦い、勝の決意と成長、しろがねの変化と心情、それぞれが魅力を放ち、それぞれが別々の道を歩みながらもその運命と心は複雑に絡み合い、進んでいく。
それぞれが非常に見物なのだが、俺が一番引き込まれたのはやはり鳴海か。
一度はしろがねと勝に大きな影響を与え、死んだと思われた鳴海が遠い地で望まぬ戦いに巻き込まれ、その中で自らの使命を自覚しながらも、重すぎるものを背負い込み、変わって行ってしまう。すごく残酷で、悲しい運命。「なんでここまで」って思うほどの残酷さで・・・
「うしおととら」のときのとらの生い立ちのストーリーもかなり衝撃的ではあったんだけど、これはその比じゃない。
そのため、なんかこっちの作品は万人に勧められるようなもんじゃない気がするんだよなぁ。

特にしろがねと再会を果たしてからの話はもどかしくて、切なくて。
想いを寄せながらも憎まれ続け、それをそれでよしとするしろがねの決意も、記憶を取り戻しながらも背負い込んだ仲間たちの思いのために自らの人生を捨てて生きる鳴海も。

そんな中で救いなのがやはり勝の素直さとか、決意とか、成長だったりするわけで。

最終的なまとめ方は少年誌らしく(サンデー連載)、かつ藤田らしいんだけど、そこに至るまでが少年誌としては重過ぎるような気も。いや、重すぎるからこそ心底よかったなぁって思えるのかな?
でもこの大きく広げたストーリーを鮮やかに回収し、まとめたのはさすがに藤田和日郎だろうね。

登場人物たちはみんな変わっていく。それは主人公3人だけでなく、敵として登場したキャラたちも。その変化の過程がこの作品の最大の魅力だと思う。
強烈に印象に残る。でもすっきりするためには最後まで読み通さなきゃならない。けっこう読むのに心構えとエネルギーが必要かも。



勝手に評価
笑える     ★★☆☆☆
泣ける     ★★★★★
ためになる  ★★★★☆
鬱になる  ★★★★☆
考えさせられる ★★★★☆
インパクト  ★★★★★

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