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2009年09月13日

【小説】Gボーイズ冬戦争

サーセン。今回は小説です。
ここは漫画のみでいこうと思ってたけど、まぁ更新もあんまりできなくなってるし、過疎だしいいだろーw

Gボーイズ冬戦争。あのIWGP、池袋ウェストゲートパークの続編第7弾。
収録されてるのは4話。
「要町テレフォンマン」振り込め詐欺団の話。
「詐欺師のヴィーナス」絵画販売の詐欺のセールスレディと騙された男の話。
「バーン・ダウン・ザ・ハウス」自分の家に放火した少年と、その後池袋で続く連続放火事件。
で、タイトルになってる「Gボーイズ冬戦争」。GボーイズのNo.2が「キング」タカシに疑念を抱き、Gボーイズが2つに割れる。ここのテーマはマコトとタカシの友情。

池袋ウェストゲートパーク自体はドラマで有名になったし、知名度は高いと思う。
今回の新作も面白い。
いつだって、社会の裏側や、事件の真実を正しく教えてくれるのはワイドショーと変わらなくなったニュース番組や、悪意ある編集が入った新聞なんかじゃない。
そこで植え付けられたイメージは、容易に世論を動かして、みんなの感情を煽るけど、その情報はすべての真実か?都合のいいとこ、視聴率をとれるとこだけ抜き出してるんだぜ。
そう。最先端のフィクションは、いつだって一番ノンフィクションに近いんだ。
こいつを読んでそれを再認識した。いや、この辺はこの作品に限ったことじゃないし、たくさんの作品が教えてくれてるんだが、そのうち改めて書こうとは思ってるんだけど。

IWGP見た人はもう知ってると思うけど、池袋のトラブルシューター、実家の青果店手伝いのマコトが主人公。この小説はマコトが語る形をとってる。
「キング」タカシは池袋最大のチーム、Gボーイズのトップ。マコトの親友。

「要町テレフォンマン」。これはある振り込め詐欺の一団から抜けようとする少年を手伝う話。
ゲーム感覚で電話をかけ、カモたちから金を巻き上げる。溜め込んだ年金を巻き上げて、消費することで経済活動に貢献するんだ、と彼らは自らを正当化する。
しかし、これに引っかかってしまったある老人が自殺してしまうことから、メンバーのヨウジは電話をかけるのが怖くなってしまう。何とか抜けようと相談を持ちかけたのがトラブルシューターのマコト。
ヨウジは電話ならどんなキャラにでもなれる。これは特技だ。
しかし、対面して人と話すのは苦手なのだ。こういうやつは、今の時代たくさんいるんだろう。電話がネットに変わったりするだけで。
「俺たちが交換してるのは、ただの情報だけじゃないからな。その人らしさとか、体温とか、においとか、電波にのらないものがたくさんあるんだ」
これはマコトの台詞。
どっちの感覚も分かるんだよなぁ・・・。でも、どっちが正しいとか、間違ってるとかは多分ないんだろうね。それはその人の価値観で、生き方の違いなんだから。
最初は電話でしかマコトとも喋りたがらなかったヨウジが、ラストに花見に誘われて「行く行く」と答えるのが印象的。

「詐欺師のヴィーナス」。これはクロサギでも取り上げられたことがある絵画商法のセールスレディと、引っかかったある派遣社員の話。
派遣社員はキヨヒコ。彼は引っかかって、何年ものローンを組まされてるのだが、依頼内容は取り返すことじゃなく、そのときのセールスレディ、エリーの本心を知りたいってもの。
エリーの話のなかで、「自分は美大を諦めて、弟の学費を稼いでいる」この部分だけが、真実臭かった。騙されたことは分かってるんだが、それでその彼女のの本心を知りたいってのがキヨヒコの思い。
彼はエリーに騙されていながら、惚れかけてるんだ。
絵画商法の細かい手口を織り交ぜながら、それぞれの「本当の思い」が明らかになっていく過程はかなり楽しめた。
まぁ、キヨヒコは最初から最後までお人好しすぎだけどね。

「バーン・ダウン・ザ・ハウス」。これは個人的にはこの中で最高の作品だと思った。
プレッシャーに押しつぶされ、自分の家に放火して、おばぁちゃんにけがを負わせてしまったユウキ。
彼が戻ってきてから池袋で連続放火事件が始まる。
「イカれたガキを放っておけないのは俺の悪い癖だ」
マコトはユウキと出会って、なんだか気になって面倒を見始める。といっても一緒に店手伝わせたり、話してやったり、そんな簡単なことだけど。
一度事件を起こした人間は、いつだって周囲の無責任な偏見のなかで生きてくことになる。色眼鏡で見られる。彼らは何も真実を知らないのに。
連続放火が始まったときのユウキの周囲がまさにそうだった。実の両親でさえも。
連続放火が放っておけないほどに続いたとき、池袋の裏社会の人間が動き出す。そこでGボーイズの出番だ。深夜の警備。
そしてマコトは早朝の警備にユウキを誘う。ユウキはずっと自分のしたことに後悔を抱いていて、この事件も気にかけていたようだ。マコトが誘う前から、自分で現場の調査をしていた。
で、彼の発見した手がかりから事件は一期に解決に向かう。
ずっとおばあちゃんに会うことができなかったユウキが、ラストでやっと会う決心を固め、やっと謝りにいける。この心情の変化の過程が印象的。

最後は「Gボーイズ冬戦争」。No.2ヒロトのタカシに対する疑念と裏切り、池袋の裏社会の均衡を崩すための組織の策略、雇われた「影」、マコトに復讐を企む成瀬スグル。
感じとしては「サンシャイン通り内戦」に近いかな。
いろんな疑惑、つかめない現状、止められない戦争。
そして戦争を止めようと走り回るマコト。
エンターテイメントとしてみれば、ここが一番単純に楽しめるストーリーだと思う。
マコトとタカシの友情が、何気ないシーンでグッとくるような表現で描かれてて。

軽く読める小説なのに奥は深い。
さて、俺は・・・過去作品も読んでみようかな。

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