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2011年01月19日

これはよくできてる。TVCMで流せばいいのに「総統閣下は青少年健全育成条例改正における違憲行為にお怒りのようです」





これはよくできてるww

☆表現規制について少しだけ考えてみる(仮)
 
東京都の職員によるPTAの説得は違憲行為! http://otakurevolution.blog17.fc2.com/blog-entry-1328.html
 ☆カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの虚業日記
 
都職員による、違法違憲行為報道
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20101216

うーん。条例自体の違憲性にばかり気を取られていて、制定過程の違憲可能性は全く考えてなかった。
まだまだだなー俺。。。

ま、文言通りに解釈すれば「自然人」を対象とした刑罰「法規」をフィクションのキャラに適用することは不可能だし、仮に適用しようとしても結局立証できないから、実際に規制が及びそうなときはこの点主張すれば普通に勝てそうな気もするけど。

こっちは漫画の感想基本なので、こ難しいことはこのへんまでで。
ま、どうであれ基本的に反対ですけどね!!
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2010年06月19日

結局否決された都の青少年育成条例改正問題、どこがどう問題なのかもう一度考えてみる。

数カ月放置した上のこの話題での更新で申し訳ないです。
当たり前ですが、否決されましたね。
「非実在青少年」条例改正案、都議会本会議で否決へ
さて、「子供を守る」ということに反対する方はほとんどいなく、「子供を守りたい」という目的は正しい、にもかかわらずココまで問題になったのはなぜか、で、何が問題なのか、できるだけまとめつつもう一回考えてみよう、と思ってこのエントリ書いてます。

で、最近アスキーjpが、あと前からITMediaがいい記事たくさんあるのでこれも貼っておく。
ゼロから分かる東京都青少年健全育成条例改正問題 ― 第1回
非実在青少年は、なぜ問題なのか?
http://ascii.jp/elem/000/000/528/528238/
ゼロから分かる東京都青少年健全育成条例改正問題 ― 第2回
永山薫氏に聞く非実在青少年問題と「マンガ論争2.5」
http://ascii.jp/elem/000/000/528/528238/
ゼロから分かる東京都青少年健全育成条例改正問題 ― 第3回
非実在青少年◆読本を作った理由──徳間・大野編集長に聞く
http://ascii.jp/elem/000/000/530/530658/index-2.html

これは秀逸。興味ある方はぜひ読むべき
「どうする!?どうなる?都条例」:
「ゾーニングの顔をした表現規制」「社会の自立の、行政による他殺」──宮台教授
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1005/20/news084.html
「綾波レイのヌードはOK」――都が条例改正案のFAQ公開、「条文と違う」と指摘も
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1004/27/news049.html

で、ちょっと資料。
これは都の回答集。
「東京都青少年の健全な育成に関する条例改正案 質問回答集」の作成について
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2010/04/20k4q500.htm
あと、今月の審議ではちょっと条文の表現の修正があった。
東京都青少年条例、「非実在青少年」の言い替えの修正とは?
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/1cffeec85a9f4da775d0c4447311e2bb

改正案・(図書類等の販売等及び興行の自主規制)第7条2「年齢又は服装、所持品、学年、背景、その他の人の年齢を想起される事項の表示又は音声による描写から十八歳未満として表現されていると認識されるもの(以下「非実在青少年」という。)を相手方とする又は非実在青少年による性交又は性交類似行為に係る非実在青少年の姿態を視覚により認識できる方法でみだらに性的対象として肯定的に描写することにより、青少年の性に関する判断能力の形成を阻害し、青少年の健全な育成を阻害する恐れがあるもの」

自公の修正案では、規制対象を「漫画、アニメーションその他の創作された画像(実写によるものを除く。)」と明記し、「非実在青少年」を「描写された青少年」に、「性的対象」を「性欲の対象」、「肯定的に描写」を「不当に賛美し又は誇張するように描写」に置き換えるそうだ。

改正案・(不健全な図書類等の指定)第8条2「販売され、若しくは頒布され、又は閲覧若しくは観覧に供されている図書類又は映画等で、その内容が、第七条第二号に該当するもののうち、強姦等著しく社会規範に反する行為を肯定的に描写したもので、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を著しく阻害するものとして、東京都規則で定める基準に該当し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められるもの」

修正案では、やはり「肯定的に描写」を「不当に賛美し又は誇張するように描写」に変更するという。

改正案(児童ポルノの根絶及び青少年性的視覚描写物のまん延抑止に向けた都の責務)第18条の6の2「2 都は、青少年性的視覚描写物(第七条各号に該当する図書類又は映画等のうち当該図書類又は映画等において青少年が性的対象として扱われているもの及び第十八条の六の五第一項の図書類又は映画等をいう。以下同じ。)をまん延させることにより青少年をみだりに性的対象として扱う風潮を助長すべきでないことについて事業者及び都民の理解を深めるための気運の醸成に努めるとともに、事業者及び都民と連携し、青少年性的視覚描写物を青少年が容易に閲覧又は観覧することのないように、そのまん延を抑止するための環境の整備に努める責務を有する。」

修正案では、(児童ポルノの根絶及び青少年性的視覚描写物のまん延抑止に向けた都の責務)を(児童ポルノの根絶及び青少年をみだりに性欲の対象として扱う図書類又は映画等の青少年による閲覧等の抑止に向けた都の責務)に変更し、本文は「都は、青少年をみだりに性欲の対象として扱う風潮を助長すべきでないことについて事業者及び都民の理解を深めるための気運の醸成に努めるとともに(後略)」といった条文に変えるとのことだ。児童ポルノにかかわる条項については、附則で「施行後三年を目処に」「検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」ともしているという。都の改正案よりも踏み出した内容だ。自公が提出した児童ポルノ禁止法の改正案にも3年後を目処に創作物規制を目論む条文があったが、うり二つの内容ともいえる。



さて、条文については前の記事で触れているので、そちらと合わせて読んでいただけると幸いなのだが、俺としては、もっと練り込む必要はあるものの、7−2、8−2の修正についてはこの方向で間違ってないと思う。
問題なのは「蔓延の防止」。ここははっきり言って削除すべきだと考えている。

俺個人の立場を明確にしておこう。
「子供を守る」という目的が正しい、というところには全面的に賛成である。
しかし、そもそも条例、つまりは立法による規制が必要なのか、現行の条例の運用を改善することで対応できるのではないか、そして条例として策定するならば、規制対象をもっと明確に絞り、解釈の余地を極力狭めることが必要ではないか、そして、そういった議論が全くなされずに押し通そうという姿勢自体、都議会という議論の場として問題ではないか、というものである。
つまり、現行の条例の運用次第で目的は果たせるはずだし、仮に新たに条例を作成する必要があったとしても、この条文の文言では受け入れ難い、条文の文言をきっちり絞り込み、それが納得、理解できて恣意的な運用の余地がなくなるならば問題はないというものである。

まず、都の職員の回答集。
法律を少しでもかじった方ならば、元の条文を読むだろうし、読んだならばこの回答がいかに稚拙な解釈に基づくものかがおわかりいただけるかと思う。
裁判上で問題になるのは、「条文の文言」「その解釈」そして「事実関係」である。
したがって、この回答にはなんの法的拘束力もなく、一旦条例が成立してしまえばこの回答の内容は、この条例に対する「ひとつの立場からの見解の一つ」としてくらいしか存在意義はない。
そして、実際に運用するのはこれからの都であり、実際に解釈して判断するのは裁判官である。
さらに言えば、この回答自体が条文の文言からはおよそ導き出されないものであり、裁判上でこの見解が通る可能性は限りなく少ないであろうことは想像に難くない。

さらにこの記事。
都条例改正案 アグネス・チャンさん「子育て条例だ」 里中満智子さん「誤解生むあいまいな条文」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1005/21/news026.html
アグネスは条文を読んだのか?と見識を疑う。
これは上のアスキーの記事でも突っ込まれているが、全く条文に反する見解であり、都の回答を鵜呑みにした発言。
>「この条例は“子育て条例”です。どうしたら子供に健全な環境を整えられるのか、というのがポイントになる。現行の条例では、今までの“成人指定” の枠に入りきらない児童の性的虐待もあるので、定義を明確にして、子供の手の届かない所に置いておきましょう、ということ」
定義が明確ではないのは明らか。さらに「蔓延の防止」の条項には、「青少年への蔓延の防止」とは一言も書いていない。

2 都は、青少年性的視覚描写物(第七条各号に該当する図書類又は映画等のうち当該図書類又は映画等において青少年が性的対象として扱われているもの及び第十八条の六の五第一項の図書類又は映画等をいう。以下同じ。)をまん延させることにより青少年をみだりに性的対象として扱う風潮を助長すべきでないことについて事業者及び都民の理解を深めるための気運の醸成に努めるとともに、事業者及び都民と運携し、青少年性的視覚描写物を青少年が容易に閲覧又は観覧することのないように、そのまん延を抑止するための環境の整備に努める責務を有する。

という条文。
つまり、世間に蔓延することによって青少年が容易に閲覧できるようになるから、世間に蔓延させない様にしましょう、という文言である。
>「表現の自由は、今回は問題外です。規制もしていない。論点をすり替えられているのではないか。有害図書に指定されたとしても、もし親が教育上必要だと判断すれば、買って読ませることもできる」
青少年性的視覚描写物を青少年が容易に閲覧又は観覧することのないように、そのまん延を抑止するための環境の整備に努める責務を有する。と条文に明記されている以上、青少年に買い与えることは明らかに抵触するだろう。
> 「『ドラえもん』のしずかちゃんの入浴シーンの可否などが取り上げられているが、それは対象外。対象は、子供を暴行する場面が詳細に繰り返し描かれているなど、悲惨な性的虐待が描かれたものだけ。私も表現者であり、自由を奪われたら困る。でも、表現の自由には責任が伴う」
対象はこの時点で(修正案の前)非実在青少年を相手方とする又は非実在青少年による性交又は性交類似行為に係る非実在青少年の姿態を視覚により認識することができる方法でみだりに性的対象として肯定的に描写するもの。
子供を暴行する場面が詳細に繰り返し描かれているなど、悲惨な性的虐待が描かれたものだけとは一言も書かれていない。
さらに、青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの、と7−1にあることから、『ドラえもん』のしずかちゃんの入浴シーンの可否についても「性的感情を刺激」することは有りうるわけで、それが「健全な成長を阻害するおそれがある」と判断されれば(証明のしようがないのだが)十分に規制対象とする解釈は成立する。(あくまで最悪のケースだが)
そして、これを「蔓延の防止」と合わせれば・・・もうおわかりでしょう。青少年に限らず都民全員、視聴、閲覧、譲渡、貸借が規制対象となりうるの。
>「条例改正案は、子供を性的な道具として虐待しているポルノを、子供から遠ざけましょう、ということ。そういう作品が、書店など子供たちの手の届くところに置かれている現状を多くの人に知ってもらいたい。
すでにゾーニングがなされている。18禁の書籍に関してはカバーがかけられ、成人コーナーに置かれている。

これは典型的な「勘違いによる賛成派の意見」だと思うので取り上げた。

条例の目的から考えよう。
そもそも、「青少年育成条例自体は青少年の健全な育成と保護」が目的であり、これは理想として追求し続ける価値があることはおそらく誰もが認めるところだろう。
さて、では「健全な育成」とは?
明確な定義はない。
私見になるが、健全な育成、健全な成長とは、善悪の判断を自分でなしうる力を身につけること、だと思う。
悪いものを悪いと判断するためには、いいものと悪いものと、グレーなものまで並べて、複数人で議論するのが一番。でも条例案では「悪いもの」を決めて、それを遠ざけようとしてるよね。人が「いいもの」と判断したものしか周囲にない状況で育つのが「判断力をつける」ことにつながるとは到底思えない。
例えば「悪書」であっても、それのどこがどう「悪」なのか、本当に「悪」なのかを例えば家族会議で、例えば HRで議論する、そのほうが「健全な育成」につながるって言う考えもあるわけで。俺はその方が純粋培養よりよほど健全だと思うのだ。
家庭で、学校で、または地域社会で、ネット上で、善悪の基準について大いに議論すべきだ。
そして、それが年齢に応じてなされることが一番望ましい。
小学校で、中学校で、学年に応じて週一、月一で議論する時間、日を設けてもいいだろう。
Toloveるが健全か否か、読むことが健全か否か、同様の行為を実際に行うことは健全か否か、せっかく人が集まってるんだから、男女、年齢を超えて大いに議論したらいいじゃん。
「男子がこれ読んでたらキモイ」それもひとつの意見だろう。
「読むのはいいじゃん!つか興味ない方が異常じゃね?去勢する気かよ!!」それもひとつの意見。
「実際にされたら絶対嫌!!つか訴えるよ!!」それもひとつの意見。そしておそらく正しい。
こういう過程で判断基準を養うこと、これが「健全な育成環境」じゃねぇの??

「いらぬものを淘汰した世界に幸せなど待ってはいない」by ドラゴン from OnePiece
そう。排除、隔離したって何も解決はしない。
というか、一部の大人が決めた、つまり子供にとっては「他人から与えられた無菌室」で、善と判断されたものしかない環境で育って、社会に放り出されたとき、自分の善悪の判断基準を持てるだろうか?持てるはずがない。

次に、規制対象について考えてみよう。

改正案・(図書類等の販売等及び興行の自主規制)第7条2「年齢又は服装、所持品、学年、背景、その他の人の年齢を想起される事項の表示又は音声による描写から十八歳未満として表現されていると認識されるもの(以下「非実在青少年」という。)を相手方とする又は非実在青少年による性交又は性交類似行為に係る非実在青少年の姿態を視覚により認識できる方法でみだらに性的対象として肯定的に描写することにより、青少年の性に関する判断能力の形成を阻害し、青少年の健全な育成を阻害する恐れがあるもの」


からさらに規制対象を「漫画、アニメーションその他の創作された画像(実写によるものを除く。)」と明記し、「非実在青少年」を「描写された青少年」に、「性的対象」を「性欲の対象」、「肯定的に描写」を「不当に賛美し又は誇張するように描写」に置き換えるとなった修正案。
これに関しては「大分マシになった」という印象。
しかし、「年齢又は服装、所持品、学年、背景、その他の人の年齢を想起される事項の表示又は音声による描写から十八歳未満として表現されていると認識されるもの」に関してはまだまだ曖昧なまま。
まだ「たたき台」に過ぎないという印象は否めない。

(不健全な図書類等の指定)第8条2 販売され、若しくは頒布され、又は閲覧若しくは観覧に供されている図書類又は映画等で、その内容が、第七条第二号に該当するもののうち、強姦等著しく社会規範に反する行為を肯定的に描写したもので、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を著しく阻害するものとして、東京都規則で定める基準に該当し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められるもの


これもまぁ、曖昧な部分は残るものの理解できる範囲である。確かにこういったものが(本当に18禁指定されていなくて青少年に蔓延しているのならば)ある程度の規制は必要だと考える。

しかし、これが上記「蔓延の防止」規定と組み合わせられることが大問題なのである。上でも述べたように、ここでは「青少年への蔓延防止」ではなく「世間への蔓延防止」となっているからだ。
ここまでの規制を実行するのであれば、定義は非常に明確に、誰でも理解できるように、そして最小限に絞り込み、解釈の幅を限りなく0に近づけることが必要なはずだ。
なぜなら、これは表現の自由に重大に関わってくる問題であり、表現の自由は一度失われると取り戻すのに多大な困難と時間を要するため、最大限尊重されて然るべき、という憲法論に基づく。

まず、ここに至る経緯としてよく上げられている意見なのだが、そもそも規制論者が言う「可愛らしい表紙の漫画で中身を見たら近親相姦や強姦の内容ばかりでゾッとした」という雑誌に少なくとも俺は心当たりがない。
話によると、こういった苦情があとを立たないそうだが、どこにあるのか全く分からない。
故に、実際の標的となってる雑誌、漫画のタイトルくらいは言ってもらわないとまともに噛み合う話ができない。
さらに突っ込むと、連載漫画に置いて「その週のストーリー」が抵触すると判断された場合、ストーリーの文脈には関係なくなるんだよね。例えばその週の話は「回想」のみで構成されてて、そこが抵触する場合。連載の一回分を一作品として、続きは2時創作物、っていう判例(著作権がらみだが)もあるわけだし。

例えば、「ナニワトモアレ」という漫画がある。
平成初期の大阪環状族の漫画なのだが、実にリアルで、この中にはしばしば輪姦、強姦を日常的に行う「非人間的な」登場人物が出てくる。
そして、彼らは同じ環状族につかまり、そのときにひどい拷問を受け、生死の堺まで追い込まれ、大阪から姿を消すことになる。工場で首をつられ、戻され、「殺してくれ」というまで追い込まれる。
「やめてください」といっても聞いてもらえない。「おまえらはそういって泣き叫ぶ女を輪姦してきたんだろうが。オドレだけ助かろうなんて都合のいい話があるかい!」と。
これは週刊連載である。よって、捕まるまでを読めば「肯定的に」描かれているわけではないことは明確なのだが、そこまでの一話に置いて「肯定的に」描かれていると判断されることは有りうるわけだ。
しかし、こういった話は現実に起こっている話である。
そして、「未成年故に」大した罰もうけず、出所してはまた同じ事を繰り返す人間がいることもまた事実である。
これを読んだとき。不快感を感じる方は多いだろう。しかし、現実から目を逸らしていては問題は解決しない。
「裁判になってまだ若いから更生できるとか、弁護士がアホみたいなこと言うやろなぁ。俺等がそんなに楽させると思うかい!」これもまた、(犯罪ではあるが)ひとつの正義でもあると俺は思うんだよ。
「俺やったら・・・殺して埋めるかなぁ」これもまた、犯罪ではあるけど、ひとつの正義だと思うんだよ。
そういった現実が実際にあり、それを知った上で善悪の基準を、判断を養うことが「健全な成長」じゃないのかな?(殺しちゃダメだけど

一部の書店では、すでに「バガボンド」や「ベルセルク」が店頭から姿を消しているという話もある。
「バガボンド」は吉川英治の「宮本武蔵」が原作だ。
そして、あの時代。男子は15で元服を迎え、「大人」だった。これは紛れもない事実だ。
成人が成人として、成人同士での性行為を行うことに何の問題があるのだろうか?そして、「バガボンド」はあくまで剣客の話であり、そういったシーンはごく一部である。にもかかわらず、だ。

さらに、先日石原都知事が見解を示した。
【石原知事会見詳報】参院選公約「菅君ずるい。ぱくられちゃった」
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/100618/lcl1006181733003-n4.htm

 −−(6月議会で否決された子供を性的対象とした漫画などの販売規制を目指す)都青少年健全育成条例の改正案について。石原知事は9月議会に再提出する意志を示したが、再提出にあたり条文の文言の修正だけでなく、内容まで変えるのか?

 「さあ、それは分かりませんな。もう1回、論議の中で第1党の(都議会)民主党がどういう意味合いで反対しているのか、はっきりさせないとね。反対の理由が分かるようでよく分からないんだよ。詰まるところ、ああいう(改正案)のを構えると、描き手を芸術家というか知らないけど、『創作をしている人間たちが無言の制約を受け、圧力を感じて、描きたいことを描けなくなる』ということなんでしょ? それ以外に何か理由あるの?」

 「(子供を性的対象とした漫画を描く)連中が果たして芸術家かどうかは知らないけど、そんなことで描きたいものが描けなくなるなら作家じゃないよ、言わせれば。ある意味、彼らは卑しい仕事をしてるんだから。あの変態を是とするみたいな(作品を見れば)。そういう人間がいるから商品として需要があるんだろうけれど。話にならんね」

 「そんなのにおもねって反対するというのは…。普通の政治の世界だったら、数ってことで政党の(意見が)通ってしまうけど。普通の社会じゃありえないことですな」


>反対の理由が分かるようでよく分からない
ここは規制対象が曖昧、ということにつきる。
有害図書として指定できる範囲が不明確ということに加えて、「蔓延の防止」の対象についても都民の間なのか青少年に対してなのか不明確なわけだ。
>(子供を性的対象とした漫画を描く)連中が果たして芸術家かどうかは知らないけど、そんなことで描きたいものが描けなくなるなら作家じゃないよ、言わせれば。ある意味、彼らは卑しい仕事をしてるんだから。
何をもって芸術としているのかよく分からないのだが、今回の規制につき、「芸術かどうか」は全く問題になっていない。
そもそも「表現の自由」は芸術に対するものではなく、「思想・信条を表現したもの」であり、それは言葉でも、絵でも、写真でも、なんにでも当てはまる。そして、芸術家にのみ認められた権利ではなく、国民全員に認められた権利である。
ということは、この発言は憲法条項を全く理解していないがゆえに出た発言ではなかろうか?そして、そういった人間が条例策定に関わっていることに強い危機感を覚える。
>ある意味、彼らは卑しい仕事をしてるんだから。
これは完全に差別発言である。憲法14条の「法の元の平等」に反する発言である。

そして、条例策定にあたっても、議論中にこういった差別的発言が多く見受けられ、そういった人間たちがこの条例を策定しようとしていることに非常に強い危機感を覚える。

個人的見解まとめとして
まぁ、一部、特定個人に対する批判になってしまったが、「子供を守る」という目的が正しい、ということに異論はない。
ただ、そもそも規制が必要か、必要ならばどういった形で行うのがよりよいか、この条文で不当に不利益を被る場合はないのか、逆に本当に規制をかけたいものへの抜け道はないのか、そういった議論が全くなされないまま、安易に「規制」に走ることが問題だと考える。
それにより、本来そういった意図がない作品までもが対象となり、「都」や「一部の大人」が決めた「善」しか存在しないない環境が作られることは、善悪について、正義について議論し、価値観を形成していく機会を著しく損なう。
そして、「画一的思考」に染め上げられ、そこから外れたものは「差別され、人権を蹂躙されても良い」という環境につながりかねないこの条例の「文言」に反対なのだ。
最近のONE PIECEで「正義」の定義に突っ込んでいるが、そういうことに疑問を持ち、議論する場をうばうことは「悪は可能性から排除しなくてはならない」「人間は正しくなけりゃ生きる価値なし」という赤犬・サカズキと全く同じ考えじゃないか?それはひとつの考えとしては有りうるかも知れないが、その考えに「すべて染め上げられる」ことはおかしいだろうと。
「徹底した正義は時に人を狂気へと変える」by 青雉クザン
そして、「正義も悪も何が違う?勝ってなお乾くばかりだ」と疑問を持ったスモーカーやたしぎ、そして「戦うのやめましょうよ!!命がもったいない!!」と叫んだコビーのような人間を排除する流れにつながるんだよ。

条文としてはだ。
「販売または頒布するもので、専ら読者の性欲を刺激するために描いた児童を対象にした性犯罪に類する行為を不当に誇張、または賛美した描写が極めて目立つことが認められるものは、青少年に販売、または譲渡することを禁ずる」とかでいいんじゃねぇの?十分目的は果たせるだろ?
まぁ、この文言でも定義を絞り込むとこは絶対必要だけどさ、それを各項で定義してけばいいんだって。
例えば13歳以下を児童と定義してる奈良の条例(たしか?)みたいに児童を定義して、性犯罪ってのを刑法何条、迷惑防止条例何条、って定義してさ。
まぁ、本来的に「現行条例の運用を見直す」だけで十分だと思うんだけどね。

今回否決されたのは非常に当然な話で、また、多くの人がこの問題について考える機会を持てたことは大きなプラスだったと思う。
そして、また今後、この案が上がってきたとき、賛成・反対双方の立場の方々が、冷静に条文を見直し、意見交換し、建設的な議論をし、そして本来の目的である「子供を守る」ことに本当につながっていけば、条例が通る通らないに関わらず、結果的に良い方向に向かえるんじゃなかろうか?

漫画が、アニメが好きな方にも、子供を持つ方にも、子供たち自身にも本当に真剣に考えるいい機会だと思うよ。ぜひ出来る限り冷静に、「ほんとうにそれでいいのか?」を考えてみようよ。 Amazonコミック新刊情報
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2010年03月28日

漫画が危ない!?東京都の青少年健全育成条例改正案への都の見解があまりにgdgdなのでツッコんでみる。

いや、前回もやったけどさ。
漫画が危ない!?東京都の青少年健全育成条例改正案
これ、「審議継続」だからね。6月にまたやるんだぜ。このバカバカしい議論を。
ちなみに都が見解を出したけど、詳しく調べてみたら全くお話にならない!
なぜなら、その見解自体は真っ当に見えるけど、その見解に基づいて条例策定に入ったならば、間違いなく違う文言になるし、今の出された条例案の文言からはこの見解は導き出されないから。
これはね、法解釈を知らない人を言いくるめるような悪意あるものだと言いきってもいいくらいバカバカしい見解です。ありえないもん。

さて、この見解自体は東京都青少年健全育成条例改正案についてで全文(?)見ることが出きるし、番外その23:青少年健全育成条例改正案についての都の見解に対する個人的見解 無名の一知財政策ウォッチャーの独言で冷静かつ痛快に突っ込んでくれてるので、興味のある方は覗いてみるといいかと思う。

ちなみに今週号のマガジンで、「あひるの空」がやってくれましたね!!
image504525.jpgいや、まさかあひるの空でここまでやってくれるとはww

断言する!全ての漫画、アニメファンは6月までにそれなりでいい、できる限り理論武装しておくべきだ。これは大義名分を掲げることによって、「可能性」を規制する条例だ。
というわけで、法律はまぁかじっただけだが、俺自身の勉強も兼ねてたまに書き綴っていくつもり。
勉強中、なので間違いは少なからずあるかもしれないけど、リンク先見たりして正しい理解してくれると幸いです。また、間違ってるとこ指摘してくれるのもありがたいです。

さて、日本は法治国家であり、それは罪刑法定主義、というものに裏付けられている。
これは「やってはいけないことを明確にしておくことによって法律で人の行動を制限する」ということだ。で、これに反するものは最高裁まで行けば「曖昧故に違憲無効」となる。しかし、これは各個の事件における裁判上で下されるものであって、実質被害を被っていない人が誰でも申請できるものではない。

や、よくわかんないって?やっちゃいけないことが決まってないのにいきなり逮捕、とかわけわかんないでしょ?そういうこと。
今回の条例を読み解くと、これは制限速度が決まってない道路でスピード違反を取り締まろうとしているようなものだ。
で、その基準は「事故を起こすおそれがあるスピード」。そんなのどうするのさ?あなたはどうする?恐れがない、と言い張ってスピード出す?それは遵法意識の低下、というんだよね。
じゃあ、常に徐行する?真っ直ぐな何もない道路でも?これは「萎縮効果」というんだよね。

もう一つ例を出そう。
青少年の成長を阻害するおそれがある漫画やアニメが氾濫してるか?ここに疑問が残る以上、このたとえの方がしっくりくるかもしれない。
「最近なんか物騒な感じだから凶器を規制しようよ」
さて、一目では正しく見えるかもしれない。
しかし、「凶器」とは?人を殺傷することができるものならおよそ「凶器」となる。
銃器、刀剣はまぁいいだろう。(銃刀法があるにもかかわらず、と言う議論はひとまず置いといて、だけど)じゃあ包丁は?カッターナイフは?シャーペンは?鉛筆は?あるいは車載工具は?モンキーレンチは?車は?
全て「人を殺傷する恐れがあるもの」、つまり「凶器となりうるもの」だ。
これは規制するのか?逆に「観賞用」としての日本刀などは?
さらに言おう。この文言では、人間の手すら凶器になりうる。
ボクサーの拳が凶器扱い、というのは知られているが、同様の破壊力を持つ人の拳は?さらに、首を締めるための手は?
すべて「凶器」となりうる。これを曖昧なままで規制しよう、と言う条例なのだ。

話を「非実在青少年」に戻そう。
しつこいかもしれないけど、該当の部分、「非実在青少年」関係の項目。

第七条中「青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがある」を「次の各号のいずれかに該当する」に改め、同条に次の各号を加える。
 一 青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの
 二 年齢又は服装、所持品、学年、背景その他の人の年齢を想起させる事項の表示又は音声による描写から十八歳未満として表現されていると認識されるもの(以下「非実在青少年」という。)を相手方とする又は非実在青少年による性交類似行為に係る非実在青少年の姿態を視覚により認識することができる方法でみだりに性的対象として肯定的に描写することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を阻害し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの

 第八条第一項中第三号を第四号とし、第二号を第三号とし、第一号の次に次の一号を加える。
 二 販売され、若しくは頒布され、又は閲覧若しくは観覧に供されている図書類又は映画等で、その内容が、第七条第二号に該当するもののうち、強姦等著しく社会規範に反する行為を肯定的に描写したもので、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を著しく阻害するものとして、東京都規則で定める基準に該当し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められるもの

 第九条第一項中「前条第一項第一号」の下に「又は第二号」を加える。

 第九条の二第一項中「第八条第一項第一号の東京都規則で定める基準に照らし、青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認める」を「次の各号に掲げる基準に照らし、それぞれ当該各号に定める」に改め、同項に次の各号を加える。
 一 第八条第一項第一号の東京都規則で定める基準 青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの
 二 第八条第一項第二号の東京都規則で定める基準 非実在青少年を相手方とする又は非実在青少年による性交又は性交類似行為に係る非実在青少年の姿態を視覚により認識することができる方法でみだりに性的対象として肯定的に描写することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を阻害し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの


さて、ここが曖昧でしかたないってのは前に言ったし、あいまいなことがいかに危険かは上の説明で分かっていただけたと思う。
ここでさらに付け加えるならば、罰則はないにせよ、少年ジャンプを持っているだけで都から行政指導などを受けることも十分に考えられるのだ。
そんなの想像つく?あなたが今持ってる、愛読してる、あるいは視聴してる作品について、いきなり都の職員が指導とか調査してくる可能性は十二分にある。
さて、俺なりに都の見解について突っ込んでみよう。

「実在しない青少年の性を描写した漫画等を規制するのは、表現の自由を著しく損ない、自由な創作活動や芸術文化の振興を脅かすもの。」
に対して
「現に、近年の不健全指定図書の多くは漫画だが、これにより、「作家の自由な創作活動や芸術文化の振興が脅かされている」との認識が広く都民一般に共有されているとは考えられない。」
まず、ほんとに「近年の不健全図書の多くが漫画」なのか?統計資料は知らないけど。
さらに、「認識が広く都民一般に共有されているとは考えられない。」
おいおい。広く共有されているかどうか、この検証自体具体的根拠が示されていない上に、共有されてないから規制してもいいとはありえん暴論だろ!!
そもそも表現の自由、精神的自由権は「少数派が迫害されることを防ぐため」のものだ。多数決で全てが決まっちゃ怖すぎだろ。
少数意見も少なくとも「表現して、知ってもらう」ことを保証するための表現の自由だというのに、この人が何を言っているのか全く理解できない。
この理論に基づくならば、稀有な病気によって日常生活に支障がある方々などは「少数であるので考えなくてもよい」という理論につながる。
裏付けの薄い仮定に基づく、暴論な結論。
こんなことを平気で言える人間が「公式見解」を出してることにすでに危うさを感じる。


「「非実在青少年」の定義(「年齢又は服装、所持品、学年、背景その他の人の年齢を想起させる事項の表示又は音声による描写」)は曖昧。故に、
・恣意的な運用につながる。
・著作者や発行者への検閲や弾圧を招く。
・漫画・アニメ業界の衰退を招く。」

に対しては
この規定は、作品の設定として、年齢や学年、制服(服装)、ランドセル(所持品)、通学先の描写(背景)などについて、その明示的かつ客観的な1)表示又は2)音声による描写(台詞、ナレーション)という裏づけにより、明らかに18歳未満と認められるものに限定するための規定であり、表現の自由に配慮して、最大限に限定的に定めたもの。
このような明示的かつ客観的な裏付けがないにも関わらず、単に「幼く見える」「声が幼い」といった主観的な理由で対象とすることはできず、恣意的な運用は不可能。
(例えば、視覚的には幼児に見える描写であっても、「18歳以上である」等の設定となっているものは該当しない。)
なお、青少年への閲覧制限を目的とする不健全図書指定制度や自主規制制度において、著作者が規制されることはなく、創作行為や出版、成人への流通は自由であり、「検閲、弾圧につながる」「漫画・アニメ業界の衰退を招く」との批判は当たらない

「年齢や学年、制服(服装)、ランドセル(所持品)、通学先の描写(背景)など」この「など」が気になるんだよ!!
じゃあ学生鞄持ってるだけでダメなのか?無限の住人のおまけページで百淋姉さんがセーラー服のコスプレしてたけどアレもダメなのか?百淋は元人妻だぞ。子供を旦那に殺されて、それで夫を殺した凄惨な過去を持つ20代後半の女性だぞ。しかもあれ、江戸時代だぞ。舞台は。あの頃は14、15で結婚とか当たり前だったろ。男も15で元服して成人扱いじゃねぇか!!
いや、話がそれたが、「など」にどこまでが含まれるかっていうのはいつも法解釈で揉めるとこなんだって!
そこについて質問されてるのに、答えにまた「など」が入ってるのってどうよ?
しかもこの「など」について運用するのはこれからの都知事、都職員だ。
揉めたとき。この「など」について判断を下すのは裁判所だ。
一般人にこれはキツいだろJK。
しかもだ。「単に「幼く見える」「声が幼い」といった主観的な理由で対象とすることはできず」というところ。条文では「年齢を想起させる事項の表示又は音声による描写から十八歳未満として表現されていると認識されるもの」とある。
「認識されるもの」と条文にはっきり明記されているのに「主観的な理由で対象とすることはできない」ってもはや何を言っているのかわけがわからない。
認識するのは誰か?って問題に全く答えてない。

フツーは都が介入してきた時点でビビるよね。一般人。
裁判になってまで、何度も裁判所に足運んで、ってすげぇ負担だよね。

さらに「明示的かつ客観的な裏付けがないにも関わらず、単に「幼く見える」「声が幼い」といった主観的な理由で対象とすることはできず」
いや、条項に文言で「年齢を想起させる事項の表示又は音声による描写から十八歳未満として表現されていると認識されるもの」ってあるじゃん。
「想起する」基準は人によりまちまちでしょ。さらに「認識」するのは誰かってことが問題になってるのに、全く答えになっていない。
想像の表現である創作物に対し、「認識されるか否か」なんて誰にも証明できないでしょ。前の記事で言ったように、ONE PIECEのナミが17か18かなんて、誰にも「確実に認識」することなんてできないし、証明もできない。
さらに、「人間っぽいキャラ」はどうするのか?HxHのキメラアントなんてみんな産まれたばっかじゃん。人間型だよね。ピトーが、メルエムが何歳に見える?
それを「誰が判断するか」が問題になっているのに、全くお話にならない。
最初から「人間」基準での見解に思えるが、「非実在青少年」は人間に限ってないので、根本的に食い違いが生じる。ここを分かってるのか?こいつ。

そして「著作者が規制されることはなく、創作行為や出版、成人への流通は自由であり、「検閲、弾圧につながる」「漫画・アニメ業界の衰退を招く」との批判は当たらない」
いやいや、だから先にあげた「萎縮効果」を心配してるんだってばよ!!
でだ、成人への流通は自由とか言ってるけど。これはすぐ後の条項で否定されてるんだって。
そもそも「みだりに」ってのは「法的に特別に許可されている場合をのぞき」っていう意味で使われるもので、規制薬物、銃刀法などで使われる文言なんだよ。
つまり、「青少年に見える可能性のあるキャラクターの、性的行為に見えるかもしれない表現をしてしまったかもしれないときには、事前の届出なり許可なりを得ることで許されるよ」っていう解釈になるの。
これを何というか。「事前検閲」である。
これも後の条項でさらにくっきりと説明がつくので、ここではこれまで。

業界の自主的な取組を尊重すべき。
に対して
従前通り、自主規制を基本とした上で、著しく悪質なものに限って都が指定する制度に変わりはない。
運用に当たっては、業界との意見交換や周知により、規定の趣旨への共通理解を十分に形成した上で適切に運用していく。

ここはこれだけ見ればまぁ真っ当に見えるね。
でもさ、条文にはっきりと「健全指定を六回受けたもの又はその属する自主規制団体に対し、必要な措置をとるべきことを勧告することができる。」って・・・。
まぁ、これ自体は前からあったのでいいといえばいいんだけど(ただし、現状の条例も何度か違憲の可能性があり、という大きな裁判に発展していることを忘れてはならない。現状ですら違憲の可能性があるものをさらにあいまいかつ広範にしようというのが今回の改正案。)

「非実在青少年」規制は、児童ポルノ法に画像を含めようとすることを企図したもの。
に対して
児童ポルノ法は、実在の児童の被害防止を目的とし、その実現のために処罰規定を置くもので、処罰の対象は成人・青少年を問わない。
一方、条例の不健全図書指定制度は、青少年の性的判断能力の形成の阻害の防止を目的とし、その実現手段は青少年への閲覧規制に止まるもの。
両者は明確に目的や手段を異にするものであり、今回の規定と、児童ポルノ法に画像を含めることは全くの別問題。
なお、国の法律においては、青少年の健全な成長を阻害する図書類の青少年への閲覧規制を定めたものはなく、自治体が条例制定権に基づいてその必要性や範囲を判断すべきもの。

児童ポルノ法自体の問題は別として。(アレも基準が不明確ってことで揉め中)
「青少年の性的判断能力の形成の阻害の防止を目的とし、その実現手段は青少年への閲覧規制に止まるもの」
いや、これも後から出てくるんだけどさ、「蔓延の防止」を義務付けてるから青少年に限らないんだよね。
ちなみに・・・上の条例一部抜粋では触れてないんだけど

第三章の三 児童ポルノの根絶に向けた気運の醸成及び環境の整備
 (児童ポルノの根絶に向けた都の責務)
 第十八条の六の二 都は、児童ポルノ(児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号)第二条第三項に規定する児童ポルノをいう。以下同じ。)を根絶すべきことについて事業者及び都民の理解を深めるための気運の醸成に努めるとともに、事業者及び都民と連携し、児童ポルノを根絶するための環境の整備に努める責務を有する。


別の条項でくっきり盛り込まれてるんですけど。。。児童ポルノ。しかもこれも今回新規の項目だよ!!
関係ないとか言ってるくせにね。もういみふになってきましたね。

出版社などのメディアが東京に集中している現状では、改正条例は国の法律と同じ効果を持つ。
に対して
青少年への閲覧規制の効力は都内のみ。
あぁ、それは分かる、と思ったあなた、大間違い!
「出版業界の自主規制ルールとして「東京都の不健全図書(有害図書)として連続3回、もしくは1年間に5回以上指定された出版物(雑誌)は、特別な注文等がない限り取次業者では扱わない」というルールが定められており、そのためこのルールに該当した出版物は事実上一般書店での販売が困難となる。」byWikipedia
つまり、東京で何度か指定されたら一般書店で並ばなくなるんです。
今の基準だと、Rookiesも、寄生獣も、ろくでなしBLUESも。シバトラも。桂正和なんて全滅だろこれw
んで、前言ったとおり、解釈次第ではGTOもダメ。ドラゴンボールもガッシュも。
つか、ジャンプもマガジンもヤンマガもヤンジャンもたぶんNGだからね。
もう俺、生きてく自信がないよ・・・OTL。

さらに「出版社が東京に集中してるから現実問題全国に及ぶんじゃね?」という質問に対して「都内だけだから大丈夫」って、会話になってないじゃんww

さて、来ました。
「まん延の抑止」とは、青少年のみならず、成人に対しても規制するもの。
に対して
第18条の6の2の規定における「まん延の抑止」とは、同規定が定義する「青少年性的視覚描写物」を青少年が閲覧又は観覧することを抑止する、という意味である。成人への規制を意味するものではない。
このことは、都や事業者、都民に努力を求める責務を定めた条文(18条の6の2、3、4)において、それぞれ、「青少年が容易に閲覧又は観覧することのないように」と規定していることからも明らかである。

ここの条文

第十八条の六の二の見出し中「根絶」の下に「及び青少年性的視覚描写物のまん延抑止」を加え、同条中第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。
 2 都は、青少年性的視覚描写物(第七条各号に該当する図書類又は映画等のうち当該図書類又は映画等において青少年が性的対象として扱われているもの及び第十八条の六の五第一項の図書類又は映画等をいう。以下同じ。)をまん延させることにより青少年をみだりに性的対象として扱う風潮を助長すべきでないことについて事業者及び都民の理解を深めるための気運の醸成に努めるとともに、事業者及び都民と運携し、青少年性的視覚描写物を青少年が容易に閲覧又は観覧することのないように、そのまん延を抑止するための環境の整備に努める責務を有する。

 第十八条の六の二に次の一項を加える。
 4 都は、事業者及び都民による児童ポルノの根絶及び青少年性的視覚描写物のまん延の抑止に向けた活動に対し、支援及び協力を行うように努めるものとする。

 第三章の三中第十八条の六の二の次に次の三条を加える。
 (児童ポルノの根絶及び青少年性的視覚描写物のまん延抑止に向けた事業者の責務)
 第十八条の六の三 事業者は、都が実施する児童ポルノの根絶に関する施策に協力するように努めるものとする。
 2 事業者は、青少年をみだりに性的対象として扱う風潮を助長すべきでないことについて理解を深め、その事業活動に関し、青少年性的視覚描写物が青少年の性に関する健全な判断能力の形成を阻害するおそれがあることに留意し、他の事業者と協力して、青少年が容易にこれを閲覧又は観覧することのないようにするための適切な措置をとるように努めるものとする。

 (児童ポルノの根絶及び青少年性的視覚描写物のまん延抑止に向けた都民等の責務)
 第十八条の六の四 何人も、児童ポルノをみだりに所持しない責務を有する。
 2 都民は、都が実施する児童ポルノの根絶に関する施策に協力するように努めるものとする。
 3 都民は、青少年をみだりに性的対象として扱う風潮を助長すべきでないことについて理解を深め、青少年性的視覚描写物が青少年の性に関する健全な判断能力の形成を阻害するおそれがあることに留意し、青少年が容易にこれを閲覧又は観覧することのないように努めるものとする。

 (青少年を性的対象として扱う図書類等に係る保護者等の責務)
 第十八条の六の五 保護者等は、児童ポルノ及び青少年のうち十三歳未満の者であつて衣服の全部若しくは一部を着けない状態又は水着若しくは下着のみを着けた状態(これらと同等とみなされる状態を含む。)にあるものの扇情的な姿態を視覚により認識することができる方法でみだりに性的対象として描写した図書類(児童ポルノに該当するものを除く。)又は映画等において青少年が性的対象として扱われることが青少年の心身に有害な影響を及ぼすことに留意し、青少年が児童ポルノ及び当該図書類又は映画等の対象とならないように適切な保護監督及び教育に努めなければならない。
 2 事業者は、その事業活動に関し、青少年のうち十三歳未満の者が前項の図書類又は映画等の対象とならないように努めなければならない。
 3 知事は、保護者又は事業者が青少年のうち十三歳未満の者に係る第一項の図書類又は映画等で著しく扇情的なものとして東京都規則で定める基準に該当するものを販売し、若しくは頒布し、又はこれを閲覧若しくは観覧に供したと認めるときは、当該保護者又は事業者に対し必要な指導又は助言をすることができる。
 4 知事は、前項の指導又は助言を行うため必要と認めるときは、保護者及び事業者に対し説明若しくは資料の提出を求め、又は必要な調査をすることができる。


さて、蔓延の防止ってのは、上で触れたとおり、「世間に出回ることを防止する」意味合いで使われるもので、これも規制薬物なんかで出てくる。
つまり、「所持、使用(閲覧)、譲渡、売買」全てを規制してこそ実現できることなの。

確かに第十八条の六の二の主語は都であって、述語は「責務を有する。」になってるけど。
「「まん延の抑止」とは、同規定が定義する「青少年性的視覚描写物」を青少年が閲覧又は観覧することを抑止する、という意味である。」
いや、「事業者及び都民の理解を深めるための気運の醸成に努めるとともに、事業者及び都民と運携し」っつーことは都民も事業者も都から介入受ける余地はあるぞこれ。
例えばネット売買では相手が青少年かどうか分からんしね。(この場合は未成年が成年であると詐称した場合、民法によって取引の安全はある程度確保されるが)

で「このことは、都や事業者、都民に努力を求める責務を定めた条文(18条の6の2、3、4)において、それぞれ、「青少年が容易に閲覧又は観覧することのないように」と規定していることからも明らか」
しかし、18条6の3、4は「非実在青少年」じゃなく「児童ポルノ」の規定じゃねぇか!!
そしてここでは、主語がそれぞれ「事業者」「都民」にすりかわってることにも要注意だ!
「都や事業者、都民に努力を求める責務を定めた条文(18条の6の2、3、4)において、それぞれ、「青少年が容易に閲覧又は観覧することのないように」と規定していることからも明らか」と言ってるけど、これは児童ポルノの規程であって、「非実在青少年」の規定ではない。
ここをたくみに混同してくるところに非常に悪意を感じる。
いや、もしかしたらこの都職員が法学部の大学生レベルをはるかに下回る法律知識しか持ち合わせてないがために、こういった非常にgdgdな解釈論に至っている可能性もなくはないが、そういう人間がこの条例の策定に関わり、かつ「公式見解」を出している、というならばそれはそれで寒気がするほど恐ろしいことだぞ。
だって、実際に運用するのはこれからの都知事。都職員であって、彼らがこの程度の法知識しか持ち合わせておらず、すでに現段階で「恣意的な解釈」に至ってるからだ。
こういう人間にこれから指導や調査をされることになるんだぜ。都民も、都内の書店も、出版社も。

他にも突っ込みたいところはたくさんあるのだが、このブログは「漫画」のブログだし、一漫画ファンとして、この条例がこのままの文言で通ることには非常に危機感を覚えている。
そもそも、18歳未満をひとくくりに「青少年」とする「青少年保護条例」そのものがおかしいんだって。
小学校一年も、高校3年も同じくくりだよ?
女子は16で結婚もできるんだよ?
小学校低学年ならば、確かに善悪判断基準が未熟な故にある程度の周囲のサポートは必要かもしれない。
しかしそれは親の、家庭の、地域の教育でやっていくべきだし、可能だ。
そして年齢に応じて徐々に制限を緩めていく、というのが本来あるべき「健全」じゃないのか?
善悪を判断するに当たって、18まで大人が「善」と決めたものにしか触れさせてもらえず(中学卒業したら働けるにも関わらず、だ)、「悪」や「グレー」があることを全く知らないまま社会に放り出されて、彼らは善悪の判断ができるのか?
俺はできないと思う。なぜなら、善悪の判断には、判断材料として「悪」も知ってなければならないからだ。
このように家庭でできる、するべき教育を放棄させ、都という「官」が一括して判断基準を押し付けようとしていることに、これからの青少年たちへの心配が拭いきれない。

最後に言っておくが、俺は漫画が大好きだ。本当にたくさんのものをもらって、生きる意味を与えてもらった作品だって数多くある。これらが差別的扱いを受けていること自体に憤りを感じる。
そして、本当に規制すべきものは実際にあるだろうが、それは少なくとも日常的に青少年の目に触れるところにはないし、青少年が簡単に入手できる状況にもない。
確かに根絶すべきものは存在するし、それに反対する気はない。
ただ、あまりに稚拙で、曖昧で、無茶苦茶なこの条例案は受け入れがたいってことだけだ。

繰り返すが、これはまた6月に審議される。このときに同じ文言で上がってくるかは知らないが、このまま通すべきではないことは明白だ。
ま、無理に通して最高裁まで行って違憲無効の判決でるとこまで行くってのもおもしろいし、そこまでいかないと分からない人たちも多いんだろうけどさ。
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posted by tmin at 23:06 | Comment(1) | TrackBack(0) | 漫画論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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